学校では、国語や数学、英語は学びます。しかし、「人生をどう生きればよいのか」「何を基準に仕事や進路を選べばよいのか」は、ほとんど教えてもらえません。
第3回では、人生を「リアル人生ゲーム」にたとえながら、自分らしい生き方と本質について考えます。
進学、就職、結婚、転職、独立、子育て。人生を左右する大切な選択を、ルール説明も攻略本もないまま求められる私たち。さらに、SNSやYouTube、AIなどの情報があふれる現代では、自分の判断軸がなければ、情報が増えるほど迷ってしまいます。
人生とは、正解どおりに生きることではなく、自分が生まれ持った本質を知り、この世界で表現し、体験するゲームなのかもしれません。

こんにちは。本質整合研究所の櫻木隆志です。

インタビュアーの高須早智子です。
櫻木さん、今回で第3回目の配信となりました。よろしくお願いします。
今回の配信は6月下旬です。今年はワールドカップイヤーということで、サッカーも盛り上がっていますね。

そうですね。
私は小学4年生から大学まで、ずっとサッカーを続けていました。大学でも同好会ではなく、体育会系の部でかなり本格的にやっていました。
そのため、4年に一度のワールドカップの時期になると、仕事が手につかなくなるほど夢中になってしまいますね。

今回はアメリカやカナダなどで開催されているため、日本では早朝に放送される試合も多いですよね。
櫻木さんは、朝早くても起きて観戦されるんですか?
この配信が公開される頃、日本代表がどうなっているのかも、とても気になりますね。

何時からの試合でも、必ず起きて観ます。
そして、思わず大声を出して、家族に怒られるというのが、いつものパターンです(笑)。

世界中が熱くなるイベントの真っ最中ですが、今回はどのようなお話を伺えますか?
社会に出るために必要なことを、学んでこなかった

私は学生時代、勉強はほどほどで、サッカーばかりしていました。
そのまま社会に出たのですが、働き始めてから、
「社会で本当に必要なことを、ほとんど勉強してこなかった」
と気づいたんです。
そこで、社会人になったばかりの頃は、時間があれば本を読んでいました。
その頃から、
「社会に出て、どのように生きていけばよいのか」
ということを考えるようになりました。
今回は、そのあたりのお話をしたいと思います。

私自身も振り返ると、学生だった3月から、4月になった途端に社会人になります。
急に環境が変わり、戸惑うこともたくさんありますよね。

そうですよね。
多くの人は、社会でどう生きるかを深く学ぶ機会がないまま、進学し、就職しているのではないかと思います。
ある意味、エスカレーターに乗るように学校を進み、そのまま社会へ出ていく。
私も、まさにそのような感じでした。
最初に入社したのは経営コンサルティングの会社で、営業の仕事をしていました。
営業活動をしながら、少しでも時間があれば本を読む。そんな毎日でしたね。

社会に出てから、
「このままではいけない」
「どうすればよいのだろう」
と考え、実際に本を読んで学ぼうとしたところが、すごいと思います。
今の若い方のなかにも、「社会でどう生きていけばよいのか」と悩んでいる人は多いでしょうね。
人生の生き方は、どこで学ぶのか

そうだと思います。
ただ、若い人に教える立場の私たち大人も、そもそも教わってきていないんですよね。
江戸時代や、少なくとも戦前くらいまでは、人としての生き方を教える場が、今よりも存在していたのではないかと思います。
しかし、戦後はそうしたものが失われてきたのかもしれません。
家庭でも教わっていない。
学校でも教わっていない。
学校では、国語、算数、理科、社会、英語などを学びます。
もちろん、それらも大切です。
ただ、本当はその前に、
「人生とはどのようなものなのか」
「人は、どのように生きればよいのか」
ということを学びたいですよね。
ところが、今の社会には、そうしたことを教えてもらえる場がほとんどありません。
だから、そこに疑問を持った人は、自分で本を読み、答えを探そうとするのだと思います。

そうですよね。
どう生きればよいのか分からないまま、目の前のことをこなしながら、少しずつ自分なりに学んでいく。
人それぞれ答えは違うのかもしれませんが、何か基本的な考え方やコツを教えてもらえていたら、もう少しスムーズに社会人生活を始められたのではないかと思うことがあります。
情報の海に投げ込まれる時代

そうした答えを求めて、以前であれば本を読み、今であればインターネットやYouTubeを見る人も多いと思います。
しかし、判断するための基本がないまま大量の情報に触れると、かえって迷ってしまうことがあります。
まるで、何の装備も持たずに、情報の海へ投げ込まれるようなものです。

今は、情報だけは本当にたくさんありますよね。
インターネットで簡単に調べられますし、AIもあります。
「情報の海に投げ込まれる」という表現は、まさにそのとおりだと感じます。

以前は、自分から意識して情報を取りに行かなければ、情報は得られませんでした。
今は、スマートフォンを少し見ているだけで、次々と情報が流れてきます。
私たちが学生だった頃とは、また違う難しさがあると思います。
それでも、
「この世界は、どのような場所なのか」
「人生は、どのように生きればよいのか」
という、本当に大切なことを知らないまま、人は進学し、就職し、社会に出ていきます。
その後も、結婚、転職、独立など、人生を左右する大きな選択をしていきます。
基本的なことを学ばないまま、非常に重要な選択を求められる。
考えてみると、なかなか大変な社会ですよね。
さらに難しいのは、そのように大切なことを十分に学ばないまま大人になり、結婚し、子どもが生まれ、今度は自分が子どもを育てる立場になることです。
自分自身も人生について何も分かっていないのに、子どもを育てなければならない。
これは、本当に大変なことだと思います。
何も分からないままい親になる

櫻木さん自身も20代半ばで若くして親になられたそうですが、子どもにいろいろなことを教える立場になったわけですよね。
子育てについては、どのように向き合ってこられたのでしょうか?

そういう意味では、自信を持って「よい子育てができた」とは、とても言えません。
自分自身も分からないことばかりでした。
ただ、自分なりに正直に生きること、精いっぱい生きる姿を見せることしかないのではないかと思いながら、やってきました。

お子さんたちは、櫻木さんが一生懸命に生きる姿を、きっとよく見てこられたと思います。
それも、一つの大切な親の姿ですよね。
私も、子どもが生まれてから、子どもと一緒に悩みながら、自分も少しずつ成長してきたように感じます。
育児書はたくさんありますが、子どもは一人ひとり違うので、本に書いてあるとおりにはいきませんよね。

「子育ては親育て」と言われますが、本当にそのとおりだと思います。
人は親になってから、大きく成長する部分があるのでしょうね。

そうした人生のなかで、節目を迎えたときに、どの道を、どのような思いで選ぶのかは、とても大切になってきますね。
人生が「リアル人生ゲーム」だとしたら

私は以前、
「この人生が、リアルな人生ゲームだったらどうだろう」
と考えたことがあります。
そう考えると、この人生ゲームは、少し雑な設計だと思うんです。
最初に、
「このゲームには、どのようなルールがあります」
「このように進めると、うまくいきます」
「この世界では、これを目指してください」
という説明がありません。
チュートリアルもないまま、気づいたときには、自分がプレイヤーとしてゲームに参加しています。
もう少し最初に、ルールや進め方を説明してくれてもよいのではないかと思うんです。
ところが、その説明はありません。
もしかすると、このゲームは、ルールや仕組みそのものを、自分で見つけることも含めて設計されているのかもしれない。
そんなことを考えるようになりました。

私自身の若い頃を振り返ると、目の前の生活に精いっぱいで、人生の仕組みについて考える余裕はなかったように思います。
櫻木さんが、そこを考え、探究しようとしてきたことが、すごいと感じます。

本当は、そのようなことばかり考えずに、目の前の仕事をもっと一生懸命やったほうがよかったのかもしれません(笑)。
ただ、これが私の性分なんですよね。
「そんな余計なことは考えなくてもいい」と言われても、どうしても考えてしまう。
おそらく、それが私がこの世界に持ってきた個性のようなものであり、私の「本質」なのだと思います。
私のなかには、いつも、
「人生とは、どのように生きればよいのだろう」
「この世界は、どのような場所なのだろう」
という問いがありました。
その問いがあったからこそ、町の電器屋さんの商売に興味を持ち、研究するようになったのだと思います。
そして、町の電器屋さんを研究するなかで、
「人生とは、もしかすると、このようなものなのかもしれない」
という仮説が、少しずつ見えてきました。
まだ明確な答えではありませんが、何か大切なことが、そこにあるように感じています。

街の電器屋さんについては、第2回の配信でも詳しくお話しいただきました。
まだ聴いていない方は、ぜひ第2回も遡って聴いていただければと思います。
それでは、最後に今回のお話の本質をお願いします。
今回の本質

今回の本質は、
「人生は、自分の本質を体験するゲームなのかもしれない」
ということです。
私たちは、最初から人生のルールや答えを教えられているわけではありません。
さまざまな経験や選択を重ねながら、自分がどのような人間なのか、自分は何を大切にして生きたいのかを、少しずつ知っていく。
そして、自分の本質を、この人生という舞台のなかで表現し、体験していく。
人生とは、そのようなゲームなのかもしれないと思っています。

人生を「リアル人生ゲーム」として捉えてみると、日々の出来事や選択の見え方も少し変わってきそうですね。
今回もお聴きいただき、ありがとうございました。

ありがとうございました。
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