私はこれまで、
誰に頼まれたわけでもないのに、
街の電器屋さんの商売を研究してきました。
全国各地の電器屋さんの実践をサポートしながら、
どういうことをしたらどういう結果になるのか、
かなり研究してきました。
そして事実として、
本質と整合すると自然に売れるようになる
ということが分かってきたのですが…、
なぜそんなことになるのでしょうか?
街の電器屋さんが選ばれる本当の理由
大型量販店やネット通販が当たり前の時代に、
なぜ、小さな街の電器屋さんが生き残っているのか、
最初はそんな疑問から研究を始めました。
量販店や通販と比べて、
サービスがいいから選ばれているんだろう…
技術力が高いから選ばれているんだろう…
はじめはそう思っていました。
確かにサービスや技術は1つの要因ではありますが、
それが一番の理由ではありませんでした。
実際にサービスはいいし、技術力もあります。
しかしお客さんの生の声を聞いてみると、
「サービスがいいからその店を利用している」
「技術力が高いから利用している」
という声よりも、
圧倒的に多い声がありました。
それは、
「あの社長が好きだから」
「奥さんがいい人だから」
「担当の〇〇さんを応援したいから」
などといった声です。
つまり、街の電器屋は、
サービスで選ばれているというよりも、
技術力で選ばれているというよりも、
「人で選ばれている」ということです。
「人で選ばれる」とはどういうことか?
では、「人で選ばれる」とはどういうことでしょうか?
それは文字通り、
「その人から買いたいから」
という理由で選ばれている状態です。
では、どういう人が
「人で選ばれる」のでしょうか?
親切な人でしょうか?
明るい人でしょうか?
確かに親切な人で、
選ばれている人はたくさんいます。
でもそんな人ばかりでもありません。
明るくて楽しい人で、
選ばれている人もたくさんいます。
でもそんな人ばかりではありません。
とても親切とは言えない、
頑固おやじみたいな人で、
お客さんからとても人気のある人もいます。
決して明るい性格とは言えない、
無口でおとなしい人で、
お客さんからとても人気のある人もいます。
自分からは全く売り込まずに人気の人もいれば、
ガンガン売り込む人で人気の人もいます。
つまり、
どういう性格の人が選ばれるとか、
どんな行動をすれば選ばれるとか、
一概には言えません。
じゃあ、共通点はないのか?
そんなことはありません。
人で選ばれている人の共通点はあります
人で選ばれている人の共通点
それは、
「その人らしい」ということです。
言い方を変えるなら、
自然体、無理がない、、、
そんな感じ。
自然体が親切な人は、
人に親切にする時に、
自然な自分でいられます。
自然体が寡黙な人は、
寡黙な時が自然な自分でいられます。
元々親切な人は、
親切な行動をする時が自然体です。
元々明るい人は、
明るく振る舞うのが自然体です。
元々そういうタイプじゃない人が
意識して親切にしたり明るく振る舞ったりしても、
不自然さが出ます。
人は、本来の自分らしくある時、自然と魅力的になる。
その時に、人は自然と応援されて、自然と売れるようになる。
多くの人を見てきて、
そういう結論に至りました。
たどり着いた結論は「本質整合」だった
特別に営業が上手いわけでもない。
マーケティングが優れいているわけでもない。
価格が安いわけでもない。
立地がいいわけでもない。
それなのに、
なぜか人が集まる。
なぜか紹介される。
なぜか選ばれる。
なぜか、売れていく。
逆に、
同じ商品で、
同じような売り方で、
努力もしているけど、
なぜか響かない。
なぜか伝わらない。
なぜか選ばれない。
そんなケースも、たくさん見てきました。
この違いは何なんだろう?
私はそこに関心を持ってきました。
そして私がたどり着いた結論が、
本質と整合しているかどうか
ということでした。
人は、商品やサービスだけで選んでいるわけではない
世の中では、
「何を売るか」
「どう差別化するか」
「どんな強みや特徴で勝負するか」
などが大事だと言われます。
もちろんそれらは大事です。
でも私は、
もっと深いところに別のものがあると感じています。
それは、
人は、商品やサービスだけで選んでいるわけではない
ということです。
特に、
地域の商売や、
人が前に立つ仕事ほど、そうです。
お客さんは実は、
「何を売っているか」
だけではなくて、
「どんな人が、どんな思いでやっているか」
を、ものすごく見ています。
感じ取っています。
“売ろうとしていないのに売れる”人
私はこれまで、
本当にたくさん見てきました。
売ろう売ろうとしていないのに、なぜか自然と売れている人たちを。
その人たちは、
もちろん商売を軽く見ているわけではありません。
でも、
売上だけを追いかけている感じがしない。
それよりも、
「自分が大事にしたいこと」を大事にしている。
「自分らしさ」を大事にしている。
すると不思議なことに、
その“在り方”に人が惹かれていくんです。
この人から買いたい。
この店を応援したい。
この会社に頼みたい。
そういう流れが、自然に生まれていく。
私は当初これを「ブランディング」と呼んで、その支援をしてきました。
それは確かに間違いではないのですが、
もっと奥に、もっと本質的なことがありました。
それが「本質整合」
だと思っています。
本質と整合すると、“言葉の奥”にエネルギーが乗る
同じようなことを言っていても、
響く人と響かない人がいます。
同じようなサービスを提供していても、
伝わる人と伝わらない人がいます。
なぜそんなことが起きるのか。
私は最近、
その理由のひとつは
“言葉の奥にエネルギーが乗っているかどうか”
なのではないかと思っています。
本質と整合している人の言葉には、
どこか芯があります。
うまいことを言っているわけではなくても、
なぜか伝わる。
洗練されていなくても、
なぜか人の心に残る。
完璧じゃなくても、
なぜか応援したくなる。
逆に、
どれだけ整った言葉でも、
どれだけマーケティング的に正しくても、
その人の本質とズレていると、
どこか空回りすることがあります。
きれいだけど、刺さらない。
ちゃんとしてるけど、響かない。
正しいけど、惹かれない。
これは、
単なるテクニックでは埋められない差なのだと思います。
「何を売るか」より先に、「なぜそれをやるのか」がある
私はこれまで、
いろいろなお店や会社の方々と関わる中で、
やっぱり大事なのは
商品やサービスの前にある
“なぜそれをやるのか”
なのだと感じてきました。
なぜその仕事をしているのか。
何のためにやっているのか。
どんな思いで、そこに立っているのか。
そこが見えてくると、
人は強くなります。
言葉が変わる。
伝わり方が変わる。
お客さんとの関係が変わる。
そして不思議なことに、
売上の流れまで変わっていくことがある。
これは、
単に「理念が大事」という話ではないと思っています。
もっと深いところで、
その人(その会社)の本質と、
仕事のWHYが整合しているかどうか
が関係しているのだと思うのです。
本質とズレた商売は、どこかで苦しくなる
逆に言うと、
本質とズレた商売は、
どこかで苦しくなっていきます。
売れるものを追いかける。
他社の成功パターンを真似する。
世間的にウケるやり方に寄せる。
自分たちらしくない言葉で発信する。
そういう工夫が必要な場面もあります。
でもそればかりだと苦しくなってくる。
発信が続かない。
売るのがしんどい。
仕事が重たくなる。
お客さんとの関係が消耗戦になる。
そして何より、
“自分たちが何者なのか”が分からなくなってくる。
私は、ここがすごく大事だと思っています。
商売や経営が苦しくなるとき、
その背景には
本質とのズレ
が潜んでいることが、かなり多いのではないかと思うのです。
本質整合すると「自然に伝わる」
私は最近、
本質整合が起きると、
仕事や商売の質が変わると感じています。
それは、
「売る」から「伝わる」への変化
です。
本質と整合してくると、
良く見せようとしなくなる。
無理に売り込まなくなる。
その代わりに、
「私はこういう思いでやっています」
「うちはこういう存在でありたいんです」
「こういう人に、こういう価値を届けたいんです」
というものが、
自然に立ち上がってくる。
すると、
それが自然と必要な人に伝わっていく。
全員には刺さらないけど、
刺さる人には深く刺さる。
そしてその方が、
結果として強い関係が生まれやすい。
私は、そういうことなのではないかと思っています。
自然に売れるとは「無理なく応援される状態」なのかもしれない
「売ろうとしなくても自然に売れる」
誰もがそうなりたいと思う状態。
これは単に、
ラクして売れるとか、
何もしなくても売れる、
という意味ではありません。
そうではなくて、
無理な押し込みや、過剰な売り込みがなくても、
人との関係性の中で自然に応援され、選ばれていく状態
のことです。
私は、これこそが
本質整合した商売や経営の特徴のひとつなのではないかと思っています。
なぜならその状態は、
- 本人にとっても無理が少ない
- お客さんにとっても気持ちがいい
- 関係性の中で信頼が育つ
- 長く続きやすい
からです。
これは単なる売上テクニックではなくて、
もっと根っこの深い話です。
結局、人は“人”で選ばれる
私は今、かなり本気でこう思っています。
結局、
商売は商品やサービスだけではなく、
“人”で選ばれる。
そしてその“人”とは、
能力や肩書きや実績だけではなく、
その人がどれだけ本質と整合しているか?
なのではないかと思っています。
商売や経営においては、
テクニックやノウハウの前に、
「本質と整合しているか?」
が大事なのではないかと感じています。
本質と整合すると、
言葉が変わる。
伝わり方が変わる。
関係性が変わる。
そして結果として、
売れ方まで変わっていく。
私は、そういう現象を
これまでたくさん見てきました。
だからこそ、
これはかなり本質的なルールなのではないかと思っています。
あとがき
商売や経営の世界では、
つい「何をするか」「どう売るか」に意識が向きがちです。
でももしかしたら、
そのもっと手前にある
「どんな本質で、どんな思いで、どんな在り方でそこに立つのか」
の方が、
ずっと大事なのかもしれません。
もしそうだとしたら、
“自然に売れる”とは、
上手に売ることではなく、
本質と整合した存在として、
自然に伝わり、自然に選ばれていくこと
なのかもしれません。