P007_辞書の定義は正解なのか?「商売=利益目的」を本質から問い直す

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辞書に書いてある意味は、その言葉の絶対的な正解なのでしょうか。
第7回では、辞書で「商売」を引いたときに出てきた「利益を得る目的で物を売買すること」という定義への違和感から、商売の本質を考えます。
利益を得ることが目的なのか。それとも、人の役に立つ価値を提供し、その結果として利益を受け取るのか。どちらを商売の目的とするかによって、仕事への向き合い方や、お客さまとの関係は大きく変わります。
また、「商売の人=自分の利益のために売りに来る人」という認識が、営業電話や訪問販売への警戒にもつながっています。辞書や世間の定義を鵜呑みにせず、自分にとっての商売や仕事を本質から定義し直す大切さをお伝えします。

「売る気がないのに自然に売れる、本質整合経営」。

この番組は、人や組織の本質を言語化し、本質と一致した生き方、そして本質整合した仕事と経営のあり方を探究する番組です。

こんにちは。本質整合研究所の櫻木隆志です。

インタビュアーの高須早智子です。

今回で第7回目の配信となりました。

これまでのオープニングでは、櫻木さんが長くサッカーをされていたことや、サッカーがお好きだというお話を伺ってきました。

そして今の話題といえば、やはりワールドカップでしょうか。

そうですね。

今日は7月2日に収録しています。日本代表がブラジルに敗れたのが一昨日ですので、まだかなりショックが残っていますね。

試合は深夜でしたが、もちろん起きて観ていたんですよね。

観ていました。

日本時間の午前2時キックオフでしたから、先に寝てしまうと起きられないと思い、ずっと起きていました。

ところが、試合を観終わると興奮して、今度は眠れなくなるんですよね(笑)。

日本中が、深夜とは思えないほど盛り上がっていましたね。

先制点が入ったときには、

「これは、いけるかもしれない」

と思いました。

そうですね。

けが人が多かったことは残念でしたが、それを含めても、もしかすると勝てるのではないかと思っていました。

ただ、やはりブラジルの壁は高かったですね。

それでは今日は、ワールドカップの話題から、どのようなお話へ展開していきましょうか。

辞書に書いてあることは、正解なのか

櫻木
櫻木

これまで、学生時代の話をいくつかしてきました。

そこで今回は、学校でもよく使っていた「辞書」について考えてみたいと思います。

高須さんも、学生時代は辞書を使っていましたか?

はい、使っていました。

櫻木
櫻木

学校では、辞書を持つように言われ、分からない言葉があれば、必ず辞書を引くように教えられましたよね。

そして私たちは、辞書に書いてある意味が、その言葉の正しい意味だと、なんとなく思ってきたのではないでしょうか。

そうですね。

辞書に書いてあることが、正解だと思っていました。

櫻木
櫻木

私も、ずっとそう思っていました。

ただ、あるときから、

「本当に、辞書に書いてあることが絶対的な正解なのだろうか」

と考えるようになりました。

そもそも、その定義は誰が決めているのか。

辞書の編集者が、世の中にすでに存在する唯一の正解を書き写しているのか。

気になって調べてみると、必ずしもそうではないことが分かりました。

辞書は、学者や編集者が、実際に世の中で言葉がどのように使われているかを調べ、

「現在は、このような意味で使われています」

と整理して掲載するものです。

つまり、辞書に書かれているのは、今の社会における一般的な使われ方です。

それが歴史的にずっと同じ意味だったとは限りませんし、その言葉の本質的な意味であるとも限りません。

この違いは、とても大切だと思うんです。

「商売」を辞書で引いて感じた違和感

櫻木
櫻木

私は、街の電器屋さんの商売について考えていたときに、なぜか「商売」という言葉を辞書で引いてみたことがあります。

すると、

「利益を得る目的で、物を売り買いすること」

という趣旨のことが書かれていました。

利益を得ることが、商売の目的だとはっきり書かれているんですね。

櫻木
櫻木

そうなんです。

目的まで明確に書かれている。

それを見たときに、

「本当に、商売の目的は利益なのだろうか」

と疑問に思いました。

商売は、もともと物々交換のようなところから始まり、自分が持っているものや、自分ができることを、誰かの役に立つために提供し、その対価を受け取るものだったのではないでしょうか。

日本でも、近江商人の教えや、松下幸之助さんをはじめとした経営者の言葉を読むと、

「利益を得ること自体が商売の目的ではない」

という考え方が多く語られています。

そうすると、辞書に書かれている定義と、松下幸之助さんたちが語っていた商売観は、同じではありません。

そこから私は、

「商売とは、本当は何なのだろう」

と考えるようになりました。

利益は目的なのか?結果なのか?

辞書には「利益を得る目的で」と書かれている。

一方、櫻木さんは、利益だけが商売の目的ではないと感じたわけですね。

櫻木
櫻木

そうですね。

私は、利益とは目的ではなく、誰かの役に立った結果として得られるものではないかと考えています。

ですから、私なりに商売を定義すると、

「人の役に立つ価値を提供し、その結果として対価や利益を得ること」

になります。

もちろん、商売によって利益を得ること自体は間違いではありません。

利益がなければ、商売を継続することはできません。

ただ、

「利益を得ることが目的なのか」
「人の役に立つことが目的で、利益はその結果なのか」

では、仕事に向かう動機も、日々の行動も、根本的に変わってきます。

確かに違いますね。

結果として利益がついてくるのが商売であるという考え方ですね。

櫻木
櫻木

そうです。

そこで辞書について、さらに調べてみました。

すると、制度上、法律上、税務上の意味では、商売は利益を目的とする活動として扱われることがあります。

ただ、それは商売を外側から見て、制度的に分類した定義です。

商売の本質そのものを説明した定義とは限らないんです。

だからこそ、

「自分にとって商売とは何なのか」

を、自分自身で定義することが大切なのではないかと思うようになりました。

私はこれまで、電器店の経営者の方々にも、自分たちにとっての商売や仕事の意味を、あらためて言葉にするお手伝いをしてきました。

「商売」と思われた瞬間に、警戒される

最初に、

「商売とは利益を得ること」

という定義が置かれてしまうと、櫻木さんが探究している商売のあり方とは、かなり違ってきますね。

櫻木
櫻木

そうなんです。

そして、辞書にそのように書かれているということは、現在の社会では、

「商売とは利益目的で行うものだ」

という認識が、一般的に広がっているということでもあります。

つまり、お客さまから、

「この人は商売をしに来た」

と思われた瞬間に、

「この人は、自分の利益のために何かを売ろうとしている」

と思われる可能性が高いんです。

そういうことになりますね。

櫻木
櫻木

例えば、営業電話がかかってくると、多くの人は、

「面倒だな」
「早く切りたいな」

と思いますよね。

突然、営業マンが訪問してきて何かを売ろうとすると、インターホンが鳴っても出たくない。

話を聞く前に、断りたくなる。

その背景には、

「この人は、自分の利益のために私へ売ろうとしている」

という前提があるのだと思います。

相手が利益目的で来ていると思うから、

「その人の都合に付き合いたくない」

と感じ、心を閉ざしてしまいます。

考えてみると、その反応の土台にも、

「商売とは利益目的である」

という社会の共通認識があるんですよね。

同じ訪問でも、受け止め方が変わる

まったく知らない人が、突然インターホンを鳴らして訪ねてきたら、こちらも身構えてしまいます。

でも、櫻木さんが支援されているような街の電器屋さんが、

「近くまで来たので、何か困っていることはありませんか」

と訪ねてきたら、受け止め方はまったく違いますよね。

櫻木
櫻木

まったく違います。

同じように訪問していても、

「何かを売りに来た人」
「自分たちの利益のために来た人」

と思われるのか、

「自分の暮らしを心配してくれている人」
「困ったときに助けてくれる人」

と思われるのかによって、関係性は大きく変わります。

だから、

「私は、利益だけを目的に商売をしている人ではありません」

ということを伝えることが、とても重要です。

何のためにこの仕事をしているのか。

誰のために、どのような価値を届けたいのか。

その目的を明確に掲げ、発信していく。

言い換えると、それがブランディングなのだと思います。

単に、見た目を整えたり、格好よい言葉をつけたりすることではありません。

「この人は、何のために仕事をしている人なのか」

という、お客さまの前提認識を変えることが、ブランディングの大切な役割なんです。

辞書は、時代とともに変わる

アナウンサーには、「日本語発音アクセント新辞典」という必需品があります。

この辞典も数年前に大きく改訂され、内容がかなり変わりました。

以前は正しくないとされていたアクセントでも、多くの人が日常的に使うようになったことで、新しい辞典には掲載されるようになったものがあります。

私も改訂前と改訂後の両方を持っていますが、アクセントや表記の仕方が変わっている部分があります。

言葉は生きているので、辞書も時代とともに変わっていくんですよね。

櫻木
櫻木

そうですよね。

江戸時代にどのような辞書があったのかは分かりませんが、当時の「商売」の定義は、今とは違っていたのではないかと思います。

少なくとも、

「利益を得ることを目的とする」

とは、書かれていなかったのではないでしょうか。

その後、社会が近代化し、グローバル化して、西洋的な経済観や価値観が広がっていくなかで、

「商売とは利益を目的とするもの」

という考え方が一般的になり、それが辞書にも反映されていったのかもしれません。

辞書の定義が変化したということは、人々の頭のなかにある商売のイメージも変化したということです。

現在、多くの人のなかには、

「商売=利益目的」

という前提があります。

だからこそ、その前提を変えることが大切なのだと思います。

私は、さまざまな電器店の方々と実践を重ねるなかで、それを仮説として考え、少しずつ確かめてきました。

何のために仕事をしているのかを言葉にし、発信することで、お客さまからの見られ方が変わる。

そして、価格や条件だけではない関係が生まれていく。

そのことが、実際の事例を通して見えてきました。

自分で定義することが、商売の軸になる

櫻木
櫻木

辞書に書かれている意味を知ることは、もちろん大切です。

現在、社会でどのような意味で使われているのかを知るために、辞書はとても役に立ちます。

ただ、辞書に書いてある意味を、そのまま本質的な正解だと思い込む必要はありません。

例えば、「商売」という言葉を、

「利益を得ることを目的に、物やサービスを売ること」

と定義して仕事をするのか、

「人の役に立つ価値を提供し、その結果として利益を得ること」

と定義して仕事をするのか。

その違いは、日々の判断や、お客さまとの向き合い方に表れます。

自分なりに本質から言葉を定義することは、自分の仕事や経営の軸を定めることでもあります。

そして、その定義に共感する人が集まり、応援してくれるようになる。

そういう意味では、自分なりに言葉を定義することそのものが、ブランディングにつながっていくのだと思います。

今回の本質

それでは、櫻木さん。今回のお話の本質をお願いします。

櫻木
櫻木

今回の本質は、

「辞書に書いてあることが、本質とは限らない」

ということです。

辞書に書かれているのは、その時代や社会における一般的な使われ方です。

それは、制度上の定義や、外側から見た説明である場合もあります。

だからこそ、

「本当に、この意味でよいのだろうか」
「この言葉の本質は何だろうか」
「自分は、この言葉をどのように定義したいのだろうか」

と考えることが大切です。

商売に限らず、仕事、経営、成功、豊かさ、幸せといった言葉も、辞書や世間の定義をそのまま受け入れるのではなく、自分の本質に照らして考え直すことができます。

自分なりの定義を持つことで、自分の生き方や仕事の軸も、少しずつ明確になっていくのだと思います。

辞書に書いてあることを知ったうえで、さらにその言葉の本質を自分で考えてみる。

それによって、仕事や商売への向き合い方も変わってきそうですね。

この番組では、リスナーの皆さまからのお便りをお待ちしています。

概要欄のお便りフォームから、ご質問やご感想など、ぜひお気軽にお寄せください。

また、Xで感想を投稿される際は、ハッシュタグ「#本質整合」を付けていただけるとうれしいです。

それでは、今回もお聴きいただきありがとうございました。

櫻木
櫻木

ありがとうございました。

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