「櫻木さん、相手の方ってAIですよね?」
Podcastを聴いた経営者から言われた衝撃のひとこと。
もちろん、インタビュアーの高須早智子さんは生身の人間です。今回は、この“事件”をきっかけに、元アナウンサーとして歩んできた高須さんのこれまでをご紹介します。
しかし、AIの音声や文章がますます人間らしくなるなか、「私は人間です」とどうすれば証明できるのでしょうか。
文章、音声、動画から、人間とAIを見分けることは今後さらに難しくなるかもしれません。一方で、生身の身体を持ち、人生を生き、悩み、感じ、経験してきたからこそ伝わるものもあるのではないでしょうか。
今回の探究テーマは、「あなたの文章・音声・動画がAIではないことを、どう証明しますか? そして、それを証明する必要はあるのでしょうか?」です。
一緒に探求していただけたら嬉しいです。

「売る気がないのに自然に売れる、本質整合経営」。
この番組は、人や組織の本質を言語化し、本質と一致した生き方、そして本質整合した仕事と経営のあり方を探究する番組です。

こんにちは。本質整合研究所の櫻木隆志です。

インタビュアーの高須早智子です。
櫻木さん、今回もよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

今回の配信は8月も終わりの頃ですね。
まだ暑さは続いていますが、9月になると、少し気持ちも新たになるような感じがあります。

そうですね。
最近は秋になっても暑いですが、それでも季節が少しずつ変わっていく感じはありますよね。

さて、今日はどのようなお話でしょうか。
「高須さんって、AIですよね?」

前回の収録後に、高須さんには少しお話ししたんですが、ちょっと衝撃的な出来事がありました。
このPodcastを、以前からお付き合いのある経営者の方に、
「こんな番組を始めましたので、よかったら聴いてみてください」
とご案内したんです。
実際に聴いてくださって、その方と話していたときに、突然、
「櫻木さん、相手の方ってAIですよね?」
と言われたんです。
私はびっくりして、
「えっ? いやいや、違いますよ」
と(笑)。
しかも、その後、別の方からも似たようなことを言われたんですよ。

そうだったんですよね。
前回その話を聞いたとき、私も本当にびっくりしました。
AIに間違えられたのは、初めてです(笑)。
最近は、ニュースを読むAIもありますし、アナウンサーの仕事にもAIが入ってきています。
でも、自分自身がAIだと思われたことはなかったので、
「これは今日、人間であることを証明しないといけませんね」
と思いました(笑)。

そうなんです。
ちょうど以前から、この番組を一緒に作っている高須さんのことを、リスナーの皆さんにきちんと紹介する回をやりたいと思っていました。
私自身については、これまでにもいろいろ話してきましたが、高須さんがどんな人なのかは、あまり紹介できていませんでした。
そこで今回は、
「高須早智子とは、どんな人なのか」
を知っていただきながら、
「高須さんがAIではなく、人間であることをどうやって証明できるのか」
というところまで探究してみたいと思います。

ありがとうございます。
まず、ちゃんと申し上げておきますが、私は人間でございます(笑)。
私は静岡県掛川市の出身です。
大学進学を機に東京へ出て、その後、地元静岡の放送局に6年ほど勤めました。
結婚後、夫の転勤で東京へ移り、出産するまではNHKのBSで経済番組を9年ほど担当していました。
私は経済学部出身でもありませんし、それまで経済について特別詳しかったわけでもありません。
ですから、その9年間は、本当に一から経済を勉強しました。
学生時代より勉強したんじゃないかと思うくらいです(笑)。

静岡の放送局では、どんな仕事をされていたんですか?

夕方のニュース番組や、夜の情報番組、ラジオのニュースなど、いろいろ担当しました。
高校野球の中継で、スタンドリポートを担当したこともあります。
特に思い出に残っているのは、在職中に自分の母校が甲子園に出場したことです。
試合の途中で流れる学校紹介のVTRがありますよね。
その取材で自分の母校へ行き、自分でナレーションまで入れました。
とても印象に残っている仕事です。
ということで、ちゃんと生身の人間として、いろいろな現場でアナウンサーの仕事をしてきました(笑)。
「夢がない」と言ったら、先生から勧められた

そもそも、アナウンサーという仕事を選んだきっかけは何だったんですか?

これも、よく聞かれるんです。
高校時代の進路相談で、担任の先生に、
「私、夢がないんです」
と話したんです。
担任は国語の女性の先生だったんですが、その先生が、
「高須さん、アナウンサーなんていいじゃない」
と、わりと軽い感じで言ってくださったんですね。
それまで、アナウンサーを職業にするなんて、考えたこともありませんでした。
ただ、振り返ってみると、小さい頃から朗読が好きでした。
小学生の頃、親の前で本読みをしたりしますよね。
そういうのが好きでしたし、放送委員会にも入っていました。
文章を声に出して読むことは、昔から好きだったんです。
先生に言われて初めて、
「これを仕事にできるのか」
と思いました。
そこから、アナウンサーという仕事を意識するようになりました。
一度あきらめたアナウンサーへの道

大学進学も、その仕事を意識しながら選ばれたんですか?

ある程度は意識していました。
ただ、私は就職氷河期の世代です。
アナウンサーの募集自体が少なくて、北海道から宮崎くらいまで、全国の地方局をいろいろ受けました。
でも、なかなかご縁がありませんでした。
そこで、一度アナウンサーの道を諦めて、一般企業に就職したんです。
ところが、会社員として働き始めて3年目くらいのある朝、出勤前にテレビをつけたら、アナウンサー試験を一緒に頑張っていた友人が、中継に出ていたんです。
それを見て、
「ああ、ちゃんとやっているんだな」
と思いました。
そして、
「もう一度、チャレンジしてもいいかもしれない」
という気持ちが湧いてきました。
その後、何気なく転職情報誌を開いたら、山形県の民放局がアナウンサーを募集していたんです。
そこで、
「既卒でも応募できるんだ」
ということを初めて知りました。
それをきっかけに、もう一度いろいろな放送局を受けることにしました。
そして最終的に、地元静岡の放送局に採用していただきました。
一度挫折して、一般企業を経験してから、あらためてアナウンサーの世界へ入ったという感じです。

そうだったんですね。
こういう人生の話を聴くと、
「ああ、高須さんも、いろいろ経験しながら生きてきた一人の人間なんだ」
ということが、だいぶ伝わりますよね(笑)。
プロだからこそ、AIに聞こえた?

ところで、櫻木さんのお知り合いの方は、私のどこをAIだと思ったんでしょうね?

これは直接聞いたわけではないので、あくまで私の仮説です。
でも、もしかすると、高須さんがプロだからではないかと思ったんです。
インタビュアーとして、とてもスムーズに進行してくださいますし、私の話に対しても、きれいに受け答えをしてくださいます。
いかにも「プロのインタビュアー」という感じなんですよね。
その完成度の高さが、逆にAIっぽく聞こえたのではないかと。
一方、私は途中で詰まったり、言い直したりしながら話していますから、
「これはAIじゃないな」
とすぐ分かるのかもしれません(笑)。
でも、考えてみると面白いですよね。
これからAIがどんどん進化していくと、プロであればあるほど、人間とAIの境目が分かりにくくなることもあるのかもしれません。

確かにそうかもしれません。
私自身も、AIが読んでいるニュースを聞いて、
「えっ、これAIなの?」
と驚くことがあります。
AIが歌っているものを聞いても、とても上手ですし、本当に人間なのかAIなのか分からないことがあります。
そう考えると、
「自分は人間です」
ということを証明するのは、だんだん難しくなっていくのでしょうか。
人間にあって、AIにないものは何か

これから技術は、さらに進んでいくでしょうから、ますます分かりにくくなっていくと思います。
そこで、
「AIにはなくて、人間にしかないものは何だろう」
と考えてみました。
やはり一つは、生きている身体があることなのではないでしょうか。
そして、その身体を持って、この世界を実際に生きている。
そこから、体験が生まれます。
うれしい。
悲しい。
怖い。
悔しい。
何かをしたい。
何かを避けたい。
そうした感情や欲求、主観的な体験があります。
高須さんは、このPodcastではインタビュアーという役割に徹してくださっています。
そのため、これまでは高須さん自身の人生や感情、体験といったものが、あまり表に出ていませんでした。
それも、AIのように感じられた理由の一つだったのかもしれません。
でも今日、高須さんがどんな人生を歩んできたのかを知ると、かなり印象が変わると思います。

そうですね。
私も毎回、櫻木さんのお話を聞きながら、いろいろなことを学ばせていただいています。
短い時間の中でも、
「なるほど」
と思うことがたくさんあります。
これからは、もう少し櫻木さんとの会話そのものを楽しんでいこうかなと思います(笑)。

そうですね。
もう少し、人と人らしい会話をしないといけないのかもしれませんね(笑)。
文章は、人間が書いたと証明できるのか

AIと人間の区別という意味では、映像、音声、文章で、それぞれ違いがあります。
今のところは、映像であれば、まだ人間かAIかを判断しやすい場面もあると思います。
ただ、これからさらに技術が進めば、映像でも分からなくなっていくでしょう。
音声は、映像よりもさらに判別が難しいかもしれません。
そして一番難しいのは、文章ではないかと思うんです。
今すでに、人間が書いた文章とAIが書いた文章を、文章だけを見て完全に見分けるのは、かなり難しくなっています。
「この文章は、人間が書いたものです」
と証明すること自体が、難しくなっています。
これからは、
「人間であることの証明」
だけではなく、
「これは、人間が作ったものです」
ということを証明するのも、どんどん難しくなっていくのではないでしょうか。
AI時代の教育で、人間は何を学ぶのか

私には、まだ小学生の子どもがいます。
この子たちが大きくなる頃には、今よりさらにAIと共存する社会になっていると思います。
学校でも、単純にAIを禁止するのではなく、
「AIをこう使うと、学びが深まる」
ということを、きちんと教えてもらえるようになるといいなと、親としては思います。

そうですよね。
AIを使うこと自体は、もう避けられないと思います。
だからこそ、教育の世界では、
「では、人間として、本当に学ぶべきことは何なのか」
という問いが、ますます重要になるのでしょうね。

AIはとても便利です。
ただ、まだ世の中のことをよく知らない子どもたちが、何でもAIに頼るようになると、その後の人生にどのような影響があるのか。
少し心配になるところもあります。
これは子どもだけではなく、私たち大人にも言えることですけれども、AIとの上手な付き合い方を考えていく必要がありますよね。
AIが話しても、人間が話しても、価値は同じなのか

ここまでは、発信する側から考えてきました。
でも、受け取る側から考えると、また別の問いが出てきます。
例えば、AIが話している内容と、生身の人間が話している内容が、まったく同じだったとします。
そのとき、聞き手にとっての価値は変わるのでしょうか。
単純に情報や知識を受け取るという意味では、ほとんど変わらないかもしれません。
むしろ、知識を正確に整理して伝えることだけを考えれば、AIのほうが上手になる領域も増えていくでしょう。
では、人間が話すことには、どんな価値が残るのでしょうか。
私は、その人が実際に人生を生きているということに、意味があるのではないかと思います。
実際に悩んだ。
失敗した。
迷った。
傷ついた。
うれしかった。
何かを選んだ。
そういう一人の人間が、自分の人生を通して考えたことを語っている。
同じ言葉であっても、そこには、その人が生きてきた背景があります。
情報だけではないものが、そこから伝わる。
これからAIがどれだけ進化しても、そういう部分が、人間が発信する意味として、より大切になっていくのかもしれません。

そうですね。
AIと人間の違いを考えることで、逆に、
「人間だからこそ伝えられるものは何だろう」
ということが、より問われる時代になるのかもしれませんね。
人間であることを、証明する必要はあるのか

そして、もう一つ考えたいことがあります。
人間であることを証明するのが難しくなるとして、
そもそも、それを証明する必要はあるのでしょうか。
例えば、とてもよい文章を読んで、心が動いたとします。
あとから、
「実はAIが書いた文章でした」
と知ったら、その文章の価値は変わるのでしょうか。
反対に、
「これは、一人の人間が長い人生経験の中から書いた文章です」
と知ることで、受け取り方が変わることもあると思います。
情報の価値と、誰が発したかという価値。
これからは、その二つを分けて考える必要があるのかもしれません。
今回の探究テーマ

それでは、今回のお話の探求テーマをお願いします。

今回は、二つの問いを考えていただきたいと思います。
一つ目は、
「あなたの文章、音声、動画がAIによるものではないことを、どうやって証明しますか?」
という問いです。
そして、もう一つは、
「そもそも、それを証明する必要はあるのでしょうか?」
です。
これからAIが進化していけば、
人間が書いた文章なのか。
AIが書いた文章なのか。
人間が話しているのか。
AIが話しているのか。
人間が映っているのか。
AIが生成した映像なのか。
ますます分からなくなっていくかもしれません。
そのとき、私たちは何をもって「人間らしさ」を感じるのでしょうか。
そして、誰が作ったものなのかということは、その内容の価値にどこまで関係するのでしょうか。
皆さん自身の感覚で、ぜひ考えてみてください。

この番組では、ホームページで「読むPodcast」も公開しています。
単なる文字起こしではなく、放送での対話をもとに、さらに読みやすく、考えを深められる形に櫻木さんが再編集しています。
そちらもぜひご覧ください。
また、この番組は、答えを一方的にお伝えする番組ではありません。
リスナーの皆さまと一緒に問いへ向き合い、本質を探究していく番組です。
今回の探究テーマ、
「あなたの文章、音声、動画がAIによるものではないことを、どうやって証明しますか?」
そして、
「それを証明する必要はあるのでしょうか?」
についても、ぜひお便りフォームからお聞かせください。
皆さまの問いや気づきが、次回以降の探究につながるかもしれません。
それでは、今回もお聴きいただきありがとうございました。

ありがとうございました。
「本質と一致して生きる」。本質整合研究所がお届けしました。
お好みの配信スタンドで登録してお聴きください
ぜひフォローしてお聴きください!



YouTubeにも、音声+静止画でアップしています。
